【ハリーセンで最終レート2000!?】ハリランドウーラジバコカミカイリュー【ポケモンSVシーズン11最終343位(レート2016.676)】

 

 

 ポケモン系YouTuberのひふやです。剣盾でガルーラを使ってレート2000を達成した唯一の男です。SVでは、ハリーセンを使ってレート2000を達成した唯一の男になるかもです。よろしくお願いします☺

 今回特に見てほしいのは、「①ハリーセンと霊獣ランドロスの威嚇サイクル」と、「②暁ガチグマ対策HD慎重渦カイリュー」の2点です。

 

 以下、常体で失礼します。

 

構築経緯と環境背景

 碧の仮面にて、ハリーセンが「クイックターンを新規習得したことで、USUM期の毒毒ランドロスと同じ動きを取ることが可能となった。これまでハリーセンの懸念点であった、特殊ポケモンを後出しされると何もできなくなるという欠点は、この交代技の習得によって消滅したと言える。

 一方、環境では竈オーガポンや連撃ウーラオスパオジアンといった、水・毒タイプに対しテラスタル抜きでは有効打を持たない物理ポケモンが猛威を振るっており、さらに実質的な環境覇権であるカイリューは、ハリーセンが得意とする状態異常撒きに弱く、最早ハリーセンの力は霊獣ランドロスドヒドイデを上回る所まで来ていた。

 以上の理由から、ハリーセンは物理ポケモンへの流し性能に優れていると言える。しかし、ハリーセンは初手に置いて強いポケモンではない。初手出し性能という点では、霊術ランドロスに軍配が上がる。その理由は、霊獣ランドロスの対特殊性能が格段に向上していたからである。ハバタクカミの「でんじは」無効、暁ガチグマやイーユイといった物理耐久貧弱のヒョロガリの処理など、初手置きされやすいポケモンに対して十二分な働きを見せる。また、霊獣ランドロスハリーセンとの相性補完に優れており、この2匹を並べることで、環境の中枢で猛威を振るうポケモンたちに大きな圧力をかけることができる。とりわけ、カイリューに対して交代を繰り返すだけで優位を取れる点は強力であった。そこで誕生したのが、ハリーセンと霊獣ランドロスの威嚇サイクル構築・ハリランドである。

 この構築は、霊獣ランドロスと物理ポケモンが相対した際に、一度ハリーセンをクッションとして噛ませ、「クイックターン」から有利対面を作る戦術を得意とする。ハリーセンに後投げされやすいポケモンとして、暁ガチグマやサーフゴーらが挙げられるが、前者の場合はハバタクカミへ、後者の場合は霊獣ランドロスへとそれぞれ繋ぐことで、相手に大きな圧力をかけることができる。ここに、霊獣ランドロスハリーセン+ハバタクカミという基本選出が完成したのである。

 しかし、基本選出が通らない相手として、ガチグマとテツノツツミが同時採用された構築と、イダイトウを抜きエースとする対面構築の2つが存在していたため、これらに対抗できる裏選出を用意する必要があった。

 前者に関しては、テツノツツミを単体で考えるとジバコイルが適任であったが、裏の暁ガチグマにでんき技を無効化された際、ジバコイルにテラスタルを切るか否かという窮屈な立ち回りを強いられる。そこで、暁ガチグマへの安定的な交換先として、特殊受けの残飯カイリューが加わった。カイリューハリーセンで「どくどく」や「どくびし」を撒いた際には詰ませ役としても適任であったため、ここにカイリュージバコイルハリーセンという裏選出が確立された。

 残るイダイトウ入りの対面構築についてだが、当初パオジアンに対し上から行動できるスカーフ連撃ウーラオスの予定だった枠を悪ウーラオスに変更することで、多少強引に対策する運びとなった。

 

構築コンセプト

・霊獣ランドロスで起点作成と削りを行い、裏の高火力エースを通す。

・霊獣ランドロスハリーセンの威嚇サイクルで相手の物理エースを抑え込み、交代技を用いて有利対面を作る。

ハリーセンのみずタイプと、霊獣ランドロスジバコイルのテラスタイプみずとを並べることで、水ウーラオスとパオジアンへの処理ルートを増やす。

ハリーセンで「どくどく」と「どくびし」を撒き、裏のカイリューで「はねやすめ」を用いて相手を詰ませる。

 

個体解説

最早かわいい……

ハリーセン@ゴツゴツメット

特性:いかく

性格:のんき

努力値:H244 A12 B252 (S個体値26〜27※)

テラスタイプ:フェアリー

技構成:クイックターン/テラバースト

    どくどく/どくびし

※Sは後手「クイックターン」を取れる範囲を拡大するために、4振りチオンジェン抜きまでに留めている。

 

 このポケモンの物理耐久は特性「いかく」込みで、かのドヒドイデをも上回る。(具体例は下記のダメージ計算を参照)

 相手の物理エースの襷を削るためのゴツメ持ち。パンチグローブ毒テラスウーラオスには単体だと不利を取るが、ここでスカーフ判定が行えるため、裏の眼鏡ハバタクカミの「シャドーボール」の圏内まで削ってしまえば問題ない。

 A12振りは、HP奇数調整の余りと見せかけて、実際は「クイックターン」+ハバタクカミのテラス一致眼鏡「ムーンフォース」で、H4D252振りチョッキガチグマへのリーチを少しでも伸ばすためのもの。(大体90%の乱数で落ちる。「じゃれつく」を当てる程度と考えれば割りは良いし、ステロを撒くか相手が少し素早さに振っている可能性も考慮したらかなり高乱数と言えるはず。)

 暁ガチグマがこのハリーセンを抜くまで素早さを伸ばしていることはほぼ無いが、極稀に裏のカイリューよりも速いガチグマと当たることもあったため、注意が必要である。(当方は無視して全て上を取れる前提で動いていた)

 選出率1位(ガチ)。

 

〈ダメージ計算〉

〇被ダメ

・A特化竈オーガポンの「ウッドホーン

(「いかく」と「おもかげやどし」の±0で)37.2~44.1%(確定2発耐え)

・A特化カイリューの「じしん」

(「いかく」込みで)39.5%~47.6%(確定2発耐え)

・こだわりハチマキ持ちA特化カイリューの「じしん」

(「いかく」込みで)59.3%~70.9%(受け出し不可)

・するどいくちばし持ちA特化カイリューの「テラバースト(ひこう)」

(「いかく」込みで)39.5~46.5%(確定2発耐え)

・A特化連撃ウーラオスの「すいりゅうれんだ」

26.1~31.3%(確定3発耐え)

・A特化パオジアンの「つららおとし」+「テラバースト(でんき)」

(「いかく」1回込みで)74.9%~90%(確定耐え)

※パオジアンやカイリューに「いかく」が二回入ると、相手の調整やC個体値次第では特殊の「テラバースト」になる点には注意。

〇与ダメ

・H4振り暁ガチグマに「クイックターン

31.7~38.0%(乱数3発)

・耐久無振りパオジアンに「テラバースト(フェアリー)」

69.6~82.5%(ゴツゴツメットのダメージ二回で確定1発)

・耐久振り一撃ウーラオスに「テラバースト(フェアリー)」

102.8~123.4%(確定1発)

※パオジアンも一撃ウーラオスも耐久振りが多いが、確定数が大きくずれることはなかった。ただし、基本的にハリーセンで攻めのテラスタルを切る展開は、相手のテラスタル等を考慮すると避けたい。特にパオジアンは、居座る場合は涼しい顔で半減の「つららおとし」をしてくるので、基本的に裏でのケアが必須。

 

ランドロス(れいじゅうフォルム)@オボンのみ

特性:いかく

性格:しんちょう

努力値:H244 B84 D180

テラスタイプ:みず

技構成:じしん/がんせきふうじ

    とんぼがえり/ステルスロック

 

 甘えるカミ以外のハバタクカミと、「つきのひかりを採用していないガチグマには対面から殴り勝つことが可能だが、初手でこちらが削れ過ぎた場合、相手の裏に控えるはがねテラスカイリューへの対応が困難になるため、対ガチグマの場合は「じしん」→「とんぼがえり」で強引にハバタクカミへと交代することが望ましい。しかし、ハバタクカミが削られ過ぎると、今度は相手のハバタクカミが重くなるため難しかった。物理ポケモンに対しては基本ハリーセンへと交代し、ウーラオスであればスカーフの判定を行ってからハバタクカミを着地させる。H-Dラインは、臆病C252振りハバタクカミの「ムーンフォース」を、オボンのみ抜きで丁度2耐えできる調整になっているが、対眼鏡ハバタクカミが乱数となるため諸説……かと思いきや、ジバコイルへの交換読み、およびテラスタイプはがねが有名なため、基本「シャドーボール」を押されるので問題無かった。

 選出率2位。

 

・ウーラオス(いちげきのかた)@きあいのタスキ

特性:ふかしのこぶし

性格:いじっぱり

努力値:H108 A252 B4 D4 S140

テラスタイプ:どく

技構成:あんこくきょうだ/ふいうち

    ドレインパンチ/つるぎのまい

 

 最初は水ウーラオスを使っていたが、前述の通りイダイトウが重かったため変更した。Sは最速キノガッサ抜き。毒テラスは、キノガッサや暁ガチグマによる先制技のダメージを半減にし、「ドレインパンチ」で回復することで襷を復活させることができる。案外、水ウーラオスがかくとう技を繰り出してくることも多かったので、どくテラスにしたのは正解だった。

 選出率6位。

 

ジバコイル@とつげきチョッキ

特性:アナライズ

性格:おだやか

努力値:HD252 C4

テラスタイプ:みず

技構成:10まんボルト/ボルトチェンジ

    ラスターカノン/ボディプレス

 

 前述の通りテツノツツミ対策だが、エンペルトや水ロトム、アーマーガア入りに対しても投げていた。性格おだやかでの採用だが、ひかえめにすることでC無振りでも「10まんボルト」でH振りサーフゴーを確定2発にできるため、そちらも検討の余地はあり。中盤に当たった受けループは、基本ハピナスのB補正を渋っている構築が多かったため、「ステルスロック」と「ボルトチェンジ」で予め削っておき、隙を見て交代読み「ボディプレス」を押すだけで何度もイージーwinを取ることができた。最終日は受けループとマッチングしなかったので、対策として成立しているかは諸説。

 選出率5位。

 

・ハバタクカミ@こだわりメガネ

特性:こだいかっせい

性格:ひかえめ

努力値:H4 B52 C244 D4 S204

テラスタイプ:フェアリー

技構成:ムーンフォース/シャドーボール

   パワージェム/ほろびのうた

 

 1舞で陽気オーガポンを抜く調整をしたカイリューに、「りゅうのまい」をされても上から動ける調整。ただし、今季はテラスタイプはがねやテラスタイプほのおのダイスカイリューが明らかに増加していたため、基本カイリュー対面は居座らずに霊獣ランドロスへと交代していた(テラス誘導)。Cをここまで伸ばすことで、ハリーセンの「クイックターン」+ハバタクカミのテラス一致眼鏡「ムーンフォース」で、とつげきチョッキ持ちの暁ガチグマを落とすことが可能となる。また、相手がたべのこし型などでも、基本テラスタルで「ムーンフォース」を半減にしてくるガチグマが多かったので、こちらもテラスタルを切ってゴリ押しする展開が多数見られた。「ほろびのうた」は、クレセリアやバトン構築への対策のつもりだったが、後者に関しては案の定サーフゴーに繋がれ、対策とは言い切れなかった。

 選出率3位。

 

カイリュー@たべのこし

特性:マルチスケイル

性格:しんちょう

努力値:H244 D252 B12

テラスタイプ:フェアリー

技構成:ほのおのうず/じしん

   アンコール/はねやすめ

 

 初手とつげきチョッキ持ちの暁ガチグマに対して合わせることができれば、「ほのおのうず」→「(ブラッドムーンを)アンコール」→「はねやすめ」×2(暁ガチグマ1回「わるあがき」)→「じしん」で丁度対面処理が可能(一発目からノーマルテラスタルをされると無理だが、基本されなかった。されるとしても二手目なので、その場合は「はねやすめ」で回復が間に合う)。また、相手が「あくび」を持っていた場合も、「ほのおのうず」で交代を封じているため「アンコール」で対応できる。さらに、「だいちのちから」や「しんくうは」を「アンコール」で固定すれば、こちらは無償で暁ガチグマを突破することができる。

 渦カイリューは汎用性という面で採用を渋られることがあるが、ハリーセンの「どくどく」や「どくびし」と併せることで、汎用性の確保が可能となる。本当は第七世代のガルランドに憧れているので、「ねこだまし」+どくダメージをしたかったが、「はねやすめ」+どくダメージも最高に楽しいので良し。(これで、こちらHP半分以下のハリーセン+HP1/4程度のカイリューVS相手HPマックスの物理エース2体という対戦を制した時は笑った。)

 選出率4位。

 

基本選出

 基本は、飛行タイプ1体+ハリーセン+@1の選出を心がける。

 

VSカイリューサフゴ

VSキラフロル入り

VSキノガッサ入り

霊獣ランドロスハリーセン+ハバタクカミor一撃ウーラオス

 基本的に、初手霊獣ランドロスで特殊が来たら殴り合って倒す、物理が来たらハリーセンに交換して「クイックターン」、という流れになる。カイリューは例え「いかく」が入っていようと突っ張ってくることが多いので、裏にサーフゴーがいない限りは「どくどく」を押したい。ちなみに、神速カイリューハリーセンのHPが1/3程度になると全員「しんそく」を押してくるが、基本倒されずにゴツゴツメットのダメージ+「クイックターン」が直撃する羽目になる。テラスタイプはがねのカイリューには「どくどく」が入らないが、基本的には「どくどく」を無効化されてから「クイックターン」に切り替えれば間に合う。相性補完が良いおかげ。ちなみに、初手キノガッサへの処理ルートは、霊獣ランドロスの後発「とんぼがえり」からの、ハバタクカミor悪ウーラオスの先手攻撃くらいしかない。

 

VS(上記のポケモンがいない場合の)暁ガチグマ入り

カイリューハリーセンジバコイル

 初手は暁ガチグマや連撃ウーラオス、ハバタクカミなどが出て来る可能性が高い。暁ガチグマが来た瞬間、「ほのおのうず」さえ当てることができれば、その時点で実質3vs2で始まるようなものなので、連撃ウーラオスがパンチグローブでない限りは問題ない。パンチグローブだった場合は、どくテラスでないことを祈りながら「どくどく」を撒くか、裏に引かせるタイミングで「どくびし」を撒いて対応する。

 

VSイダイトウ入り

一撃ウーラオス+@2

 パオジアンがいる場合はほぼパオジアンから来るので、初手一撃ウーラオスの「ドレインパンチ」で回復しながら倒す。ゴーストテラスを切られたことは一度もなく、あってもでんきテラスだった。一撃ウーラオスのHPを対イダイトウ用にまで温存できれば負けることはない。@2は、例えばキノガッサがいれば霊獣ランドロス+ハバタクカミ、ガチグマがいれば渦カイリュー、キラフロルがいれば霊獣ランドロスなど、役割範囲を意識して選出する。

 

重いポケモン

・クリアチャームカイリュー

 霊獣ランドロスの「がんせきふうじ」に後投げしてきた場合は、基本ハバタクカミに即交換すればまだ間に合うが、クリアチャームだと判明する前にハリーセンを投げてしまった時にはその時点で試合が終わる。

 

・いかさまダイスを持ったきあいのタスキキノガッサ()

 霊獣ランドロスが最速起きしないと間に合わない。

 

・サーフゴーに繋ぐちいさくなるバトン

 暁ガチグマを採用していないので無理。

 

・オボンのみ持ちパオジアン

 テラスタイプでんきの剣舞パオジアンは、霊獣ランドロス対面「つるぎのまい」をして、次のハリーセン対面も「つるぎのまい」をしてくるので、やはり受けることの難しさを感じた。ちなみに、シーズン序盤はハリーセンに「ぜったいれいど」をしてくるパオジアンが多かった。

 

あとがき

 SVは、シーズン1の時点で剣盾より難しいと感じ、長らく真剣に向き合ったことがなかったが、剣盾の禁伝環境で愛用していたハリーセンが大幅強化を貰ったことで、モチベーションが最熱した。

 シーズン10の構築記事を読み漁り、ハリーセンと相性の良さそうなHDランドを見つけたときは、剣盾時代に対戦動画を作っていた頃と同じワクワク感があって楽しかった。

 しかし、シーズン終盤に近づくにつれ、1000位台~900位台をうろつくことしかできなくなり、プレイングの限界を感じた。明らかに剣盾時代より老化が進んでおり、1戦するだけで息が上がることもしばしばだった。

 そんな中迎えた最終日、私はハロウィンの雰囲気に飲み込まれ、赤ワインを1本飲んで眠ってしまった。この時点で、レート2000より上の世界で戦うことは無理と判断し、今回の順位まで上げて撤退することにした……というか、たまたま夜目が覚めたので潜れただけ()

 何はともあれ、ハリーセンは使用率圏外だが、ママンボウと同程度の順位にいてもおかしくないということが、この記事を通して伝わっていれば幸いである。

 

Thank you for reading!!☺

 

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